「やあ、当麻、久し振りだね。
元気?
僕は元気だよ。
今電話で話してる時間あるの?
丁度暇になったからさ、当麻はどうしてるのかなあって思ったんだ。
こっちは順調…といっていいのか悪いのか。
進級はなんとかなんたんだけどね。その辺は私立高校だからね、細工ぐらいわけないよ。
でもさすがに勉強についてくのは辛いね。もう何がなんだかさっぱりわからないんだ。
クラブはもともと入ってなかったし。
まるで新入生のように友達作りをやってるところさ。
当麻の方はどうなんだい?
どこかの高校に滑り込んだって話を聞いたけど。
ちゃんと行ってるのかい?
…ああやっぱりね。自分で選んだ学校じゃないと、学歴なんか物ともしない人間には煩わしいもの以外の何者でもないからね。
でもね当麻。一人くらい、あ、こいつとは気が合いそうだな、とか、つきあっていけそうだな、とか、思える人がいなかったの?
例えば…、え?いたの?どんな人?僕に似てるだって?
褒められてるのかけなされてるのかよくわからないな。
それどういう人?…うん、…うん、なるほどね。よく気が付く奴みたいじゃないか。
それなのにどうして行かなくなったんだい?大検取るの?
あれ、後ろがなんか騒がしいけど、誰かお客様?TV?
え……まさか、ひょとして、そこに、いるの?
ああもちろん僕に似てるなんとかさんだなんて言ってないよ。
なーんだ。そういうことなんだ。
それじゃあ学校なんて面倒になるよねえ。
征士、いるんなら聞いてよ。
あんまり当麻に自堕落を覚えさせないでくれよ!癖になるんだから !! 」
終
7永遠が砕けてもへ